Billboard JAPAN


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2022/07/30

<コラム>みのが思う、近年のヒット・チャートで起きる“オルタナティブ・サウンドの隆盛”

 チャートは極めて客観的な情報という点で、音楽シーンを一望する大きな手助けとなってくれる。時代によってマスの関心の中央値。ポップ的、カウンター的な音楽、どちらがウケるかの傾向は変わってくるが、ここ数年はカウンター的な楽曲がメインストリームでも成功を収めている。

 2022年もこの傾向は継続しそうだ。7月8日にBillboard JAPANが発表した2022年上半期総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”で『劇場版 呪術廻戦 0』主題歌「一途」が3位、エンディングテーマの「逆夢」が6位に入ったKing Gnuをはじめ、Official髭男dism、藤井風、Vaundy、あいみょんなどは、エッジの立った質感を保ちながら、ポップなエッセンスも器用に楽曲に盛り込むことができる、この時代を代表するアーティスト群と言えるだろう。これまでの日本のチャート史を観察してみても、ここまでオルタナティブなサウンドがオーバーグラウンドに噴出している時代は珍しいと言えるのではないだろうか。

 チャート上の成績に色気を感じているかはわからないが、例えばWONK、Kroi、BREIMEN、SANABAGUN.などのオルタナティブなR&Bを得意とするアーティスト群は総じて、狙えば大ヒットを放つことができる位置にいると思う。常田大希が商業音楽へ自覚的にアプローチしたことを公言しているように、オルタナティブなアーティストがメインストリームでも受け入れられる時代になっていると言えるだろう。ポップ・ミュージックの多様化とオルタナティブ・サウンドの隆盛。現在のBillboard JAPANチャートは、そうした極めて珍しい音楽シーンが形成されているのが見て取れるチャートなのではないだろうか。(Text:みの)

 みの×Billboard JAPANでのコラボ連載シリーズ。次回からは、Billboard JAPANが発表しているウィークリー・チャートのひとつ“JAPAN Heatseekers Songs”から注目のアーティストを抜粋し、みの自身がそのアーティストの魅力やバックグラウンドを掘り下げるインタビュー企画をスタートする。“JAPAN Heatseekers Songs”は、“JAPAN HOT 100”の構成データをもとに急上昇中の新人アーティストを抽出したチャート。オルタナティブな音楽シーンに造詣が深く、自身も動画クリエーターとして発信を行い、ミュージシャンとしても創作活動を行うみのが、次世代のポップ・ミュージックを担う期待のライジング・スターたちと交わす対話をぜひ楽しみにしていただきたい。

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